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自動運転のクルマも、元をたどれば、小さな部品の集まりです。
以前の記事では、PythonとArduinoで、カメラ画像から操作を直接推論するEnd-to-End自動運転のミニカーを作る手順とコードを紹介しました。
ただ、そちらの記事では、ミニカーの体をつくる部品には駆け足でしか触れられませんでした。
そこで今回は、実際に買った部品の一覧と、それぞれを選ぶときのポイントをまとめておきます。電子工作がはじめての人でも迷わずそろえられるよう、つまずきやすい石ころの場所も書き添えていきます。
この記事では、AI自動運転ミニカーの部品と選び方を、現役のAI実装エンジニアの視点で解説し、最終的にあなたがそろえるべき部品と費用の目安を提示します。
- AI自動運転ミニカーを作るのに必要な部品の一覧
- 部品ごとの役割と、選ぶときのポイント
- あると便利なものと、買うときの注意点
- 全部そろえたときの費用の目安
完成したミニカーと、全体の構成
まずは、完成したミニカーを真上からのぞいてみてください。

仕組みは、拍子抜けするほどシンプルです。
- スマホのカメラが「目」になる
- PCの中のAIが、進む方向を決める
- その命令が、Bluetoothに乗ってArduinoへ届く
- Arduinoが、モータードライバーを通じてモーターを回す
- そのあいだも、超音波センサーが前方を見張り続ける
つまり、必要な部品は大きく分けて「車体」「頭脳」「通信」「センサー」「電源」の5つです。
電子工作がはじめてなら、まずはスターターキットから
電子工作がはじめてなら、いきなり自動運転のミニカーに挑むよりも、まずは初心者向けのスターターキットから始めるのがおすすめです。
Arduino本体に、ジャンパーワイヤー、抵抗、LED、センサー類などがまとめて入っていて、説明に沿って手を動かすだけで、電子工作の基本がひと通り身につきます。
このキットには、ミニカーの頭脳になるArduino UNO(互換ボード)も入っています。実は、今回のミニカーで使ったArduino UNOと超音波センサーは、どちらもこのスターターキットに入っていたものです。
LEDが初めて光った瞬間の小さな感動を、ぜひ味わってみてください。そこで電子工作の面白さに目覚めたら、次は自動運転のミニカーに挑戦してみると面白いですよ。キットで覚えたことが、そのまま次の一歩の足場になるはずです。
必要な部品の一覧
| 部品 | 役割 | 参考価格 |
|---|---|---|
| プラスチックボード(百均)と、モーター・タイヤ | 車体 | 約1,400円(ボード110円+モーター・タイヤ4個セット1,299円) |
| Arduino UNO(または互換ボード) | モーターを動かす頭脳(マイコン) | スターターキットに付属(単品なら750円) |
| モータードライバー L298N | Arduinoの命令で、モーターに電気を送る | 999円(2個入り) |
| Bluetoothモジュール HC-05 | PCからの命令を受け取る | 1,956円(2個入り) |
| 超音波センサー HC-SR04 | 障害物を見つけて止まる(安全装置) | 699円(2個入り) |
| 電池ボックスと単3電池 | モーターとArduinoの電源 | 470円(電池ボックス2個入り)+電池代 |
| ジャンパーワイヤー | 部品どうしの配線 | 870円(120本入り) |
| 抵抗(1kΩと2kΩなど) | HC-05に送る信号の電圧を下げる | スターターキットに付属(セットで買うなら989円) |
| ブックスタンドとゴム | カメラ役のスマホを車体に固定する | 1,804円(4枚入り)。百均のものでもよい |
※価格は2026年10月時点のAmazonでの価格です。変わることがあるので、購入前にリンク先で確認してください。
このほかに、カメラ役のスマートフォンと、AIを動かすPCを使います。スマホのカメラがミニカーの「目」になり、その映像をWi-Fi経由でPCに送ります。PCは、私はMacを使いました。どちらも手持ちのもので大丈夫です。
部品ごとの選び方
1. 車体(百均のプラスチックボード+モーター・タイヤ)
車体は、ロボットカー用のシャーシキットを買わずに自作しました。百円ショップのプラスチックボードを土台にして、モーターとタイヤをボンドで貼り付けただけです。
見た目は素朴そのものですが、室内を走らせるには十分でした。自動運転の頭脳を載せる体が百円から始まるというのも、なかなか痛快だと思います。
- 土台の板は大きめに:Arduino、モータードライバー、電池ボックス、スマホを全部載せるので、余裕のある大きさの板を選ぶ。
- モーターの配線を確認する:モーターによっては、電線をはんだ付けする必要がある。はんだごてを持っていない場合は、配線済みのものを選ぶと安心だ。
- 手間を省くならシャーシキットも:土台の板、モーター、タイヤがセットになった「ロボットカーのシャーシキット」も売られている。工作の手間を減らしたいなら、こちらを選ぶのも手だ。
2. Arduino UNO
モーターやセンサーを制御するマイコンボードです。情報が多く、はじめてでも困りにくいArduino UNOを選びました。
私は、スターターキットに入っていたELEGOOのUNO R3(互換ボード)をそのまま使いました。単品で買う場合は、次のポイントを確認しておきましょう。
- 純正品と互換品:互換品は安く手に入るが、PCとつなぐときにUSBのドライバー(CH340など)を別に入れる必要があるものもある。はじめてなら、説明の多い純正品か、評判の良い互換品を選ぶと安心だ。
- USBケーブルも確認する:PCとつなぐUSBケーブルが付いているかどうかも、買う前に確認しておきたい。
3. モータードライバー L298N
Arduinoは賢いですが、力は弱いのです。モーターを直接回せるほどの電気は流せません。
そこで、Arduinoの命令を受けて、電池からモーターへ力強く電気を送り込む「筋肉」として、モータードライバーを使います。L298Nは、2つのモーターを前後に回せる定番の部品で、使い方の情報も多いです。
ひとつ注意点があります。L298Nは、モーターに送る電圧が、電池の電圧より2Vほど下がります。電池の数が少ないとモーターの力が足りなくなるので、モーター用の電池は単3電池4本以上にしておくと安心です。
4. Bluetoothモジュール HC-05
PCの中で生まれたAIの判断を、ミニカーへ無線で届ける伝令役の部品です。PCとはBluetoothでつながり、Arduinoとはシリアル通信でつなぎます。
HC-05の受信ピン(RX)は3.3Vで動くので、Arduinoの5Vの信号をそのままつなぐのではなく、抵抗2本で電圧を下げてからつなぎます。そのため、抵抗も一緒に用意しておきます。
抵抗は、スターターキットに入っていたものを使いました。単品で買うなら、1kΩや2kΩを含め、いろいろな値がそろった抵抗セットが便利です。
5. 超音波センサー HC-SR04
コウモリのように超音波を放ち、跳ね返ってくるまでの時間から、前にある物までの距離を測るセンサーです。
このミニカーでは、AIの判断とは別に「前に物があったら必ず止まる」という、最後の砦の役目を担っています。安くて扱いやすいので、予備も含めて2個以上買っておくと安心です。
6. 電池ボックスと電池
モーター用とArduino用の電源は、分けておくのがおすすめです。モーターが回り始めるときに大きな電流が流れ、電圧が下がって、Arduinoが再起動してしまうことがあるからです。
- 電池ボックス:モーター用には、単3電池4本分の電池ボックスを用意する。下で紹介している単3電池2本用のものなら、2つを直列につなげば4本分(約6V)になる。スイッチ付きのものを選ぶと、電池を抜かなくても電源を切れて便利だ。
- 電池:試運転を何度もくり返すと、電池はすぐに減る。繰り返し使える充電池を用意しておくと、結果的に安く済む。
7. ジャンパーワイヤーとブックスタンド
- ジャンパーワイヤー:はんだ付けなしで部品どうしをつなげる電線だ。差し込み口の形が「オス-オス」「オス-メス」「メス-メス」と分かれているので、3種類が入ったセットを買っておくと困らない。
- ブックスタンド:カメラ役のスマホは、専用のスマホホルダーを使わず、ブックスタンド(本立て)にゴムで留めているだけだ。それでも十分に使える。ブックスタンドは百均のものでもよい。走行中の振動で向きがずれないよう、ゴムでしっかり留めておく。
費用の目安
表の部品をそろえたときの合計は、次のとおりです(電池と抵抗を除く)。
| Arduino UNOを単品で買った場合 | 約9,000円 |
| ブックスタンドを百均のものにした場合 | 約7,300円 |
一万円札でおつりがくる自動運転。そう考えると、少しわくわくしてきませんか?
買うときの注意点
- 安い互換品は、当たり外れがある:まれに初期不良のものもあるので、届いたら一つずつ動作を確認しておきたい。
- 壊しやすい部品は予備を:センサーやBluetoothモジュールは、配線を間違えると壊れることがある。安い部品なので、予備があると作業が止まらない。
- 固定するもの:部品を板に固定するのに、ボンドや両面テープ、結束バンドがあると便利だ。
まとめ
AI自動運転のミニカーは、この記事で紹介した部品と、手持ちのスマホとPCがあれば作ることができます。
机の上に部品を並べた瞬間から、あなたの自動運転の物語は始まります。部品がそろったら、組み立て方とコードは、次の記事で紹介しています。
👉 Python×ArduinoでEnd-to-End自動運転ミニカーを作る|データ収集・学習・推論の全手順
コードの要点は、Qiitaにもまとめています。
👉 【理系向け】自動車メーカーの就活ガイド
👉 自動車メーカーのAIエンジニアが年収を上げるキャリア戦略


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