自動運転エンジニアが100冊以上読んで選んだビジネス書11冊|就活生・新社会人にもおすすめの目的別リスト

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本棚は、その人の頭の中を映す鏡だと思います。並んだ背表紙を眺めれば、その人が何に迷い、何を求めてきたのかが、うっすらと透けて見えます。

私は自動車メーカーで、AIを使った自動運転の開発をしています。学生時代は、活字を前にするとページをめくる手が重くなるような人間でした。そんな私が、気づけば100冊以上のビジネス書を読んできました。

選んだのは、ビジネス書の入り口になる本から、仮説思考、考える力、働き方、未来の読み方、そして本業の自動運転・SDVまでの本当に読んでよかった11冊です。

就活生や新社会人にも読んでほしい本を中心に選びました。

この記事では、本当に読んでよかったビジネス書11冊を、現役AIエンジニアの視点で目的別に紹介し、最終的にあなたが最初に手に取るべき2冊を提示します。

先に結論:目的別のおすすめ
  • 最初の1冊なら:『入社1年目の教科書』『コンサル一年目が学ぶこと』
  • 仮説思考を身につけるなら:『仮説思考』『イシューからはじめよ』
  • 考える力を鍛えるなら:『地頭力を鍛える』『東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座』
  • 仕事が多すぎると感じたら:『エッセンシャル思考』
  • これからの日本と世界を考えるなら:『日本再興戦略』『2035 10年後のニッポン』
  • 自動運転・SDVを知るなら:『SDV革命』『Apple Car』

ビジネス書の読み進め方。入口、考え方の型、働き方、視野を広げる、の4段階で11冊を整理した図
ビジネス書の読み進め方(目的別)

私が本を読むようになったきっかけ

実は、学生時代の私は、活字に苦手意識がありました。

変わったのは、新卒の就活を始めたころです。就活本を手に取ったのが、すべての始まりでした。そこから少しずつ、本を読むことへの抵抗がほどけていきました。

きっかけは、拍子抜けするほど単純でした。最後まで読み切った本が、本棚に一冊ずつ並んでいきます。頭の中の知識が、背表紙の列になって目に見えます。それが、たまらなくうれしかったのです。

今では、かなり大きな本棚を買いました。その本棚も、すっかり埋まってしまいました。次の置き場所をどうしようかと考えながら、あまり面白くなかった本から売りに出せばいいか、と思っているところです。

本棚は、読むたびに少しずつ自分を更新していく、生き物のようなものなのかもしれません。

本が苦手な人ほど、電子書籍より紙の本を

だから、本に苦手意識がある人ほど、電子書籍より紙の本をすすめたいと思います。

読み終えた本が本棚に一冊ずつ増えていく手応えは、画面の中では味わえません。指先に残る重みと、棚に並んだ背表紙の列。それが、私が読書を続けてこられたいちばんの原動力でした。

仕事のノウハウは、意外と誰も教えてくれない

もう一つ、本をすすめたい理由があります。仕事の考え方や進め方のノウハウは、社会人になっても、意外と誰も教えてくれないのです。

よほど部下の育成に心を砕いている人でもなければ、それを言葉にして手渡してはくれません。多くの人は、見よう見まねで手探りを続けることになります。

私自身、本を読む習慣がついてから、考えを筋道立てて話せるようになってきた実感があります。

誰も教えてくれないなら、本から吸収すればいいのです。本は、いつでも、何度でも、同じ熱量で教えてくれる先輩です。

ビジネス書の入り口に:最初に読んでほしい2冊

ビジネス書という海に、これから漕ぎ出す人へ。最初に手に取ってほしいのが、この2冊です。

活字が苦手でも、するすると読み進められます。これから社会人になる人には、まだ見ぬ「仕事」という景色の輪郭が、ぐっとはっきりしてくるはずです。

『入社1年目の教科書』岩瀬大輔

こんな本
  • こんな人に:これから社会人になる人、就活中の学生、活字に苦手意識がある人
  • ここが良い:社会人が大切にしている仕事の考え方が、やさしい言葉でわかる

『コンサル一年目が学ぶこと』大石哲之

こんな本
  • こんな人に:ビジネス書を読み始めたい人、コンサル業界に興味がある人
  • ここが良い:コンサルに限らず、どの仕事でも役立つ基本の考え方が身につく

就活生にもおすすめの理由
社会人が仕事で何を大切にしているのかがわかるので、面接で何を押さえて話せばいいのか、攻めるべきポイントが見えてきます。就活の面接については、新卒向けの記事にも書いています。

仮説思考を身につける本

どんな仕事にも、共通する一本の背骨があります。仮説を立ててから動くことです。

闇雲に走り出すのではなく、まず「たぶん、こうではないか」と地図に印をつけてから歩き出します。この2冊は、その大切さと、仮説を立てる力の鍛え方を教えてくれます。

実際、日立コンサルティングの中途面接でも、私の逆質問の裏に、仮説があるかどうかが問われました。本の中の考え方は、面接という本番の場で、そのまま試されたのです。

『仮説思考』内田和成

こんな本
  • こんな人に:仕事の進め方を一段上げたい人、情報を集めるばかりで動けない人
  • ここが良い:仮説を立てて行動することの大切さと、その鍛え方がわかる

『イシューからはじめよ』安宅和人

こんな本
  • こんな人に:がむしゃらに働いているのに成果が出ないと感じる人
  • ここが良い:「何に答えを出すべきか」から考えることの大切さと、その鍛え方がわかる

考える力を鍛える本(論理・地頭・フェルミ推定)

コンサルの面接でも、自動車の開発の現場でも、最後にものを言うのは「その場で筋道を立てて考える力」です。答えのない問いを前にしたとき、思考の足場になってくれる力。その土台をつくってくれたのが、この2冊です。

『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』細谷功

こんな本
  • こんな人に:考える力の土台を、根本から鍛えたい人
  • 学べること:フェルミ推定を入り口に、限られた情報から筋道を立てて考える「地頭力」の鍛え方
  • 私の場合:細谷功さんは、私の好きな著者の一人。対策のためというより、好きで読んでいるうちに、気づけばフェルミ推定もケース問題も得意になっていた。

『東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座』

こんな本
  • こんな人に:ケース面接を控えている人、課題解決の「型」を身につけたい人
  • 学べること:課題を分解し、筋道を立てて答えにたどり着く「課題解決の型」
  • 私の場合:学生時代に取り組んで、ケース問題が得意になった。この型は、コンサルの選考に限らず、今の自動車メーカーでの仕事でも生きている。

仕事が多すぎると感じたら:本当に必要な仕事を選ぶ本

仕事に慣れてきて、ふと「仕事が多すぎる」と感じ始めたら。そんなときに読んでほしいのが、この本です。

『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン

こんな本
  • こんな人に:仕事に慣れてきて、業務量の多さに追われている人
  • ここが良い:本当に必要な仕事だけをやる、という意識が身につく

よく考えてみると、本当に必要なのかよくわからない仕事は、驚くほど多いものです。

特に新人のころは、断りづらい立場だと見られがちで、いろいろな人から、必要性のわからないタスクが雨のように降ってきます。そして実は、そのかなりの部分が、会社の利益に直結していないことも多いのです。

私がやっていること
  • 1週間を振り返り、自分にとって要らなかったと思う仕事は、次の週からどんどん省く
  • 要らない会議は、角が立たないように、廃止を促す

これからの日本と世界を考える本(一般教養)

一般教養として面白かったのが、この2冊です。これからの日本や世界がどこへ向かうのかが、著者それぞれの鋭い感性で描かれています。

読みながら、「仮説思考の仮説って、こうやって立てるのか」と気づかされます。未来という、誰も答えを知らない問い。そこに、自分なりの大胆な仮説を立ててみせています。その手本として読める2冊です。

『日本再興戦略』落合陽一

こんな本
  • こんな人に:これからの日本の行方を、技術の視点から考えたい人
  • ここが良い:未来への大胆な仮説の立て方に触れられる

『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』堀江貴文

こんな本
  • こんな人に:10年後の社会や働き方を、いろいろな分野から見通したい人
  • ここが良い:幅広い分野の未来予測を通して、仮説の立て方が学べる

自動運転・SDVを知る本

最後に、本業の自動運転の本を紹介します。

自動運転の本はいろいろありますが、SDVまで踏み込んで書かれた本は、まだ多くありません。その中で、SDVへの解像度がいちばん高いと感じたのが、この2冊です。

ただ、業界をまったく知らない人には、少し難しいかもしれません。SDVの全体像をつかみたい人は、先にSDVの解説記事(中国出張で見た、クルマが「買ったあとも育つ」現実)を読んでから手に取ると、格段に見通しがよくなると思います。

『SDV革命 次世代自動車のロードマップ2040』(日経BP)

こんな本
  • こんな人に:自動車業界で働く人、SDVの動向を深く知りたい人
  • ここが良い:SDVで自動車産業がどう変わるのかを、高い解像度で描いている

『Apple Car デジタル覇者vs自動車巨人』(日本経済新聞・日経クロステック 合同取材班)

こんな本
  • こんな人に:IT企業と自動車メーカーのせめぎ合いを知りたい人
  • ここが良い:デジタルの巨人が自動車産業に与える影響を、取材をもとに描いている

まとめ:本は、読んだあとに効いてくる

目的本
ビジネス書の入り口に入社1年目の教科書/コンサル一年目が学ぶこと
仮説思考仮説思考/イシューからはじめよ
考える力地頭力を鍛える/東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座
仕事を減らすエッセンシャル思考
未来を考える日本再興戦略/2035 10年後のニッポン
自動運転・SDVSDV革命/Apple Car
この記事で紹介した11冊

本は、読んだその日には、何も変えてくれません。でも、ある日の面接で、ある日の会議で、ページの中で出会った言葉が、ふと自分を助けてくれることがあります。

本が苦手な人は、まず入り口の2冊を、紙の本で。読み終えた一冊が本棚に並んだとき、きっと次の一冊に手が伸びるはずです。

私の本棚も、まだまだ育っている途中です。この記事は、新しく良い本に出会うたびに更新していきます。

考える力を、キャリアに活かすなら
本で身につけた仮説思考は、転職活動の面接でもそのまま試されました。考える力をどう年収やキャリアにつなげるか、私の実例をまとめています。
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