【新卒向け】航空宇宙専攻の院生が、自動車メーカーを選んだ理由と就活の後悔

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人生の分かれ道は、たいてい、それが分かれ道だと気づかないうちに通り過ぎているものです。

このブログでは、自動車メーカーで働く自動運転エンジニアの私が、転職活動で迷いながら進んでいる様子を書いています。今回は時計の針を少し巻き戻して、新卒のときの就活の話をしてみたいと思います。

私は理系の大学院(航空宇宙工学専攻)から、自動車メーカーに就職しました。夏のインターンから早期選考へ進み、修士1年の冬には内定。振り返ると、比較的スムーズに進んだ就活でした。

ただ、転職活動まで経験した今振り返ると、「もっとこうしておけばよかった」と思うことがたくさんあります。小さな後悔も含めて、これから同じ分かれ道に立つ学生の方の参考になればと思って書きました。

この記事では、理系院生の就活の流れと「今だから言える後悔」を、現役AIエンジニアの視点で振り返り、最終的にあなたが就活で取るべき行動を提示します。

この記事で書いていること
  • 理系院生の私の就活の流れ(インターンから早期選考へ)
  • 自動車メーカー、その中でも自動運転を選んだ理由
  • 宇宙業界も考えたのに、選ばなかった理由
  • 実際に入ってみて感じた、自動車メーカーの良いところ
  • 今振り返って、就活で大事だと思うこと
  • まず登録しておきたい定番の就活サービスと、実際に役に立ったもの

私の就活の流れ

まずは、私の就活の全体像を、簡単な地図にしておきます。

見ていた業界自動車、航空宇宙、重工業、IT、インフラ、バイク
応募の方法自由応募
決まった流れ夏のインターンに参加 → 早期選考 → 修士1年の冬に内定
決め方初めての内定で、その場で決めた。ほかにも、経験のためにいくつかの会社の面接を受けた
私の就活の流れ。夏のインターン、早期選考、修士1年の冬に内定
私の就活の流れ

理系の大学院では学校推薦を使う人も多いですが、私は受けた会社で差をあまり感じなかったので、自由応募で進めました。推薦の扱いは会社によってかなり違うので、気になる会社は研究室の先輩や就職支援の窓口に聞いてみるのがいいと思います。

自動車メーカー、その中でも自動運転を選んだ理由

まず何より、純粋に車が好きでした。そしてその中でも、自動運転の仕事がしたいと思っていました。理由は二つあります。

  1. 祖父母との暮らし:高校生まで田舎で、運転免許を返納した祖父母と一緒に暮らしていた。車がないと生活が成り立たない地域で、「自動運転があれば、祖父母はもっと自由に出かけられるのに」と、ずっと感じていた。
  2. 学んできたことの延長線上にある:大学院で学んだ航空宇宙工学の、制御工学のような知識の延長線上に、自動運転の技術がある。そして何より、難しそうな問題を解いてみたいという思いがあった。

祖父母と暮らした田舎の記憶と、大学院での学び。過去の二本の糸が、一本の仕事の上で結ばれます。そう思えたことが、決め手になりました。

宇宙業界も考えた。それでも選ばなかった理由

航空宇宙工学を専攻していたのだから、もちろん宇宙業界にも心は惹かれていました。それでも選ばなかったのは、次の理由からです。

  • 採用人数:ちょうどコロナ禍での就活だったこともあり、採用人数がかなり絞られていた。
  • 関わり方:ロケットや人工衛星のように、一つの製品を非常に多くのメンバーで作り上げる仕事だと、自分が大きな機械の歯車の一つになってしまうように感じた。
  • 開発の長さ:一つの開発が何年、何十年と続くことも多く、自分がやりがいを感じ続けられるか自信がなかった。

ただ、今になって思います。宇宙への入り口は、「開発」だけではありませんでした。たとえば総合商社(三井物産など)のように、宇宙ビジネスの企画や立ち上げに関わる道もあります。

当時の私の頭の中には、「宇宙=ものづくり」という一本道しかありませんでした。もう少し視野を広げていたら、別の道が見えていたかもしれません。

不思議なことに、宇宙と自動車のあいだで揺れたのは、転職を考えたときも同じでした。人は、同じ分かれ道に何度も戻ってくるものらしいです。その話は、転職を考えた理由の記事に書いています。

実際に入ってみて感じた、自動車メーカーの良いところ

後悔を語る前に、公平のために書いておきたいと思います。自動車メーカーを選んでよかったと感じることも、たくさんあります。

  • 会社の名前を知ってもらえる:社名を知っている人が多いので、社外の人と話すときに話が広がりやすい。初対面の人にも、仕事の話に興味を持ってもらえることが多い。
  • 自動運転は話題性がある:特に自動運転は、今の世の中のトレンドの一つだ。どこで話しても関心を持ってもらいやすく、自分の仕事の話をするのが楽しくなる。
  • 福利厚生と給料:福利厚生は充実していて、給料も悪くない水準だと感じている。
  • 長期休暇が長い:夏休みや年末年始などのまとまった休みが長く、旅行など自分の時間もしっかり取れる。
  • 一緒に働く人が優秀:ほかの会社へ転職していった人たちが、口をそろえて「前の会社の人たちは優秀だった」と言っている。外に出てみて、改めてわかる良さなのだと思う。

もちろん、光があれば影もあります。大きな組織ならではの難しさについては、転職を考えた理由の記事にも書きました。光と影の両方を知ったうえで選べば、入社してからの「こんなはずじゃなかった」は、ずっと小さくなると思います。

今振り返って、就活で大事だと思うこと

ここからは、転職活動まで経験した今だからこそ見えることを書いていきます。自分に合いそうなところだけ、ポケットに入れて持ち帰ってもらえたらうれしいです。

今振り返って、大事だと思う5つのこと
  1. インターンは、会社に「潜入」できる新卒だけの特権
  2. 就活は「ゲーム」だと思って楽しむ
  3. 研究の説明は「やさしく」「社会とのつながり」から
  4. 面接は、落ち着いて、等身大で
  5. オンライン面接の前は、通信環境を必ず確認する

ひとつずつ、見ていきましょう。

1. インターンは、会社に「潜入」できる新卒だけの特権

私自身がまさにそうでしたが、インターンに参加した会社から早期選考に進み、そのまま内定をもらうのは、よくある流れです。インターンに参加すると、何かしらの優遇を受けられることが多いです。

でも、本当の価値はそこではありません。会社の中に入って、働く人の価値観に直接触れられるのは、新卒のタイミングだけです。社会人になると、会社の内側をのぞける窓は、面接や面談という小さな窓くらいしかなくなります。

私は初めての内定で、その場で心を決めました。その選択自体を悔やんではいません。それでも今思えば、もっと広く、いろいろな会社の扉をくぐっておけばよかったと思います。

2. 就活は「ゲーム」だと思って楽しむ

就活で一番大事だと思うこと。それは、楽しむことです。

「落ちたらどうしよう」と守りに入ると、面接での声は小さくなり、新しい会社を見に行く足取りも重くなります。

いろいろな会社に「潜入」できるゲームです。そのくらいの軽やかな気持ちで、もっとたくさんの会社をのぞきに行けばよかったと、今は思います。

3. 研究の説明は「やさしく」「社会とのつながり」から

理系の学生は、ESや面接で研究を説明する場面が多いです。大事なのは、中身の深さよりも次の2つだと思います。

  • いかにやさしく語れるか
  • その研究が、社会にどんな波紋を広げるのか

研究の説明は、相手の頭の中に景色を描くつもりで話したいところです。

さらに、「その経験を、会社でどう活かせるのか」まで橋を架けられるとよいでしょう。コツは、少しだけ抽象度を上げること。ただし、ありきたりな話で終わらせず、志望している会社だからこそ活きる形に結びつけたいところです。

結びつけ方の例(イメージ)
研究:宇宙機の制御
→ 一段抽象化:不確かな環境の中でも、機械を安全に思いどおりに動かす技術
→ 志望先ならではの形:雨や逆光など、予測しきれない道路環境でも安全に走る自動運転の制御に活かしたい

4. 面接は、落ち着いて、等身大で

今、仕事で就活生の方と話す機会があります。その立場から見えてくるのは、緊張しすぎず、等身大で話せる人は、とても魅力的に映るということです。

話の中身の深さは、学生同士でそこまで大きな差はありません。だからこそ差がつくのは、落ち着いた、はっきりした声で、自信を持って話せるかどうかだと思います。

そのためには、アルバイトでも、OB・OG訪問でもいいので、ふだんから大人と対等に話す練習をしておくとよいでしょう。経験を重ねるほど、面接でも自然と背筋の伸びた声が出るようになります。

5. オンライン面接の前は、通信環境を必ず確認する

これは、今思い出しても苦い、私の失敗談です。

あるバイクメーカーの面接の当日、急にネットの調子が悪くなり、20分も遅刻してしまいました。電話に切り替えてもらったものの、自己紹介を終えたところで時間切れ。選考は、そこで終わりました。

オンライン面接の前には、通信環境を必ず確認しておくことを強くおすすめします。予備のスマホのテザリングなど、つながらなかったときの逃げ道も決めておくと安心です。準備に使う10分が、20分の遅刻を防いでくれます。

就活で使うサービス:まずは登録して、使いながら絞る

就活のサービスは星の数ほどあります。私のおすすめは、まず定番のサービスにひととおり登録し、使いながら自分に合うものに絞っていくことです。最初から一つに決め打ちするより、情報を取りこぼさずに済みます。

全員登録しておきたい定番の4つ

サービス主な使いどころ
マイナビ大手の就職情報サイト。企業へのエントリーや、説明会・インターンの予約に
リクナビ大手の就職情報サイト。マイナビとあわせて登録しておくと、見られる企業の幅が広がる
ワンキャリア先輩たちの選考体験記や、ES・面接の情報を調べるのに
Indeedさまざまな求人をまとめて検索できる。インターンなども含めて幅広く探すのに

表のサービス名から、公式サイトに移動できます。使っているうちに、手に馴染むものとそうでないものが自然に分かれてくるので、そこから絞っていけば大丈夫です。

私が特に役に立ったと感じたもの

定番のサービスに加えて、私が実際に使って、特に役に立ったと感じたのが次の4つです。

① Matcher:社会人との「壁打ち」に

私の大学では、Matcher(マッチャー)を社会人との壁打ちに使っている人が多かったです。

所属している大学に関係なく、いろいろな会社の社会人に話を聞いてもらえるサービスです。前の章で書いた「大人と対等に話す練習」の場としても、ぴったりだと思います。

▶ Matcher公式サイト

② OpenWork:会社のリアルを知るために

OpenWork(オープンワーク)は、社員や元社員の口コミで、会社の実態を知ることができるサービスです。入社してから改めて読み返して、驚きました。

思っていた以上に的を射ていて、中にいる人間の実感を正確にすくい上げていたのです。説明会やパンフレットの明るい照明の下では見えない部分を知るのに、とても役に立ちます。

▶ OpenWork公式サイト

③ 研究室のOB・OG:生の声に勝るものはない

研究室のOB・OGの紹介も、とても大事でした。私は、先輩の先輩のように、顔も知らない人まで紹介してもらって話を聞きに行きました。

働いている人の生の声は、どんなに整ったウェブサイトよりも雄弁です。遠慮せず、先輩や先生にお願いしてみてください。

④ 『伝説の「論理思考」講座』:課題解決の「型」を学ぶ

サービスではありませんが、もう一つ挙げておきたいのが本です。学生時代に取り組んだ東大ケーススタディ研究会の『伝説の「論理思考」講座』のおかげで、私はケース問題が得意になりました。

身についたのは、課題を分解し、筋道を立てて答えにたどり着く「課題解決の型」です。

コンサル志望の人のケース面接対策はもちろん、その型は社会人になった今も、仕事の中で生き続けています。業界を問わず、学生のうちに一度触れておいて損はない一冊だと思います。

研究室の外の先輩にも話を聞くなら:ビズリーチ・キャンパス

研究室のOB・OGに話を聞くのは、本当に役に立ちました。ただ、研究室という糸だけをたどると、たどり着ける会社は限られます。行きたい会社に先輩がいなければ、糸はそこで途切れてしまいます。

その途切れた糸の先をつないでくれるのが、ビズリーチ・キャンパスです。同じ大学を卒業した先輩に、OB・OG訪問を申し込めるサービスで、研究室や知り合いのつながりがなくても、母校の先輩にたどり着けます。

ビズリーチ・キャンパスでできること(公式サイトより)
  • 同じ大学の先輩にOB・OG訪問:母校の先輩とつながれる。オンラインでの訪問にも対応している。
  • 先輩のキャリアや体験記を読める:OB・OGのキャリアのデータや、先輩の就活体験記が載っている。
  • 企業からのスカウトやイベント:企業からのスカウトや、限定のインターン・イベントの案内もある。
  • 選考の管理:受けている会社の選考状況を、アプリでまとめて管理できる。

国内123の大学と海外の大学が対象なので、まず自分の大学が入っているか、公式サイトで確かめてみてください。

同じ大学の先輩は、同じ授業や研究室の雰囲気を知っているぶん、こちらの状況をわかったうえで話してくれますし、こちらも質問しやすいです。特に、次のような人には向いていると思います。

  • 研究室に、行きたい業界や会社の先輩がいない
  • 大学が地方にあって、会社まで話を聞きに行きにくい
  • 志望の業界を決める前に、いろいろな業界の人の話を聞いてみたい

▶ 同じ大学出身の先輩に話を聞けるOB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」

企業から声がかかる、スカウト型の就活サービス

企業から直接スカウトが届く、スカウト型の就活サービスもあります。キミスカは、プロフィールを登録しておくと、あなたに興味を持った企業からスカウトが届くサービスです。自分では見つけられなかった企業と出会うきっかけになります。

※私の就活のころは使っていなかったサービスですが、就活生向けの選択肢として紹介しています。

▶ 企業からスカウトが届く就活サービス「キミスカ」

まとめ:もっと広く、もっと楽しめばよかった

私の就活は、インターンから早期選考に進み、比較的スムーズに決まりました。そのこと自体に、後悔はありません。祖父母と暮らしていたころに胸に灯った「自動運転を実現したい」という思いは、今の仕事にちゃんとつながっています。

それでも、新卒のときに、もっと広くいろいろな会社を見ておけばよかったと感じています。

冒頭に書いたとおり、人生の分かれ道は、たいてい気づかないうちに通り過ぎています。会社の中に入り、働く人の価値観に触れられるのは、新卒の今だけの特権です。

これから就活をする人には、守りに入らず、ゲームを楽しむくらいの気持ちで、いろいろな会社をのぞいてみてください。私自身もまだ、迷いながら歩いている途中です。お互い、一歩ずつ進んでいけたらうれしいです。

いろいろな会社をのぞく最初の一歩には、同じ大学の先輩に話を聞いてみるのがおすすめです。会社の説明会では聞けない本音も、先輩になら聞きやすいものです。

▶ 同じ大学出身の先輩に話を聞けるOB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」

社会人になってからの転職活動の話は、転職活動記のシリーズに書いています。数年後の自分を思い描くヒントとして、のぞいてみてください。

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